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2026.09.18

【2026.8】#2ひろしま感性日和

【#2ひろしま感性日和】ゲームをつくることは、体験をつくること

パーソナリティ:川北輝(メディアアーティスト/現代美術家/感性インフラストラクチャー研究室 主宰)
ゲスト:増田雛里さん(ゲームクリエイター/京都芸術大学 キャラクターデザイン学科2年/感性インフラストラクチャー研究室メンバー)

2026年8月24日(月)、FMはつかいち(76.1MHz)で「ひろしま感性日和」第2回を放送しました。

今回のテーマは、「ゲームをつくることは、体験をつくること」です。Unityを使ったゲーム制作に取り組む増田雛里さんをゲストに迎え、ゲームの世界がどのようにつくられ、プレイヤーの感情や記憶にどのように残っていくのかを考えました。

■ ゲームは映像やプログラムだけではない
Unityは、キャラクターや背景を配置するだけではなく、プレイヤーの操作に合わせて音を鳴らしたり、光を変化させたり、物語を進めたりできるゲーム開発環境です。

増田さんが取り組むホラーゲームでも、怖さを生み出すのは、恐ろしい姿のキャラクターだけではありません。暗さや照明、足音、映像が切り替わるタイミング、何かが現れそうで現れない間、進む方向を迷わせる空間設計など、さまざまな要素が組み合わさって一つの体験になります。

ゲームをつくることは、画面の中に物を置くことではなく、人の心がどのように動くかを設計することでもあります。

■ 味や香りが記憶を連れてくる
番組では、増田さんが小学生の修学旅行で広島を訪れた思い出についても伺いました。原爆ドームや厳島神社を訪れたこと、もみじ饅頭を食べたこと。そして今でも、その味を口にすると、新幹線で友達とゲームをした時間や、旅館で過ごした場面がよみがえり、懐かしさを感じるそうです。

私たちが「おいしい」と感じる体験は、味覚だけで決まるわけではありません。香り、食感、温度、見た目、食器の触り心地、周囲の音など、複数の感覚から入ってくる情報が脳の中で組み合わさることで、一つの食の体験として感じられます。こうした仕組みは「多感覚統合」と呼ばれています。

また、自分自身が経験した過去の出来事についての記憶は「自伝的記憶」と呼ばれます。特に香りや味は、過去の記憶と強く結びつくことがあります。ふとした香りをきっかけに、昔いた場所や一緒にいた人、そのときの感情まで鮮明によみがえることがあり、こうした現象は「プルースト現象」として知られています。

増田さんにとって、もみじ饅頭は単なる広島のお菓子の味ではなく、修学旅行の風景や友人との時間まで一緒に呼び起こす、記憶の入口になっているのかもしれません。

■ ゲームは未来の記憶になる
ゲームを遊んだ記憶には、画面の中の物語だけでなく、一緒に遊んだ人、そのときにいた場所、音や手触り、その日の気持ちも重なっています。ゲームクリエイターがつくっているものは、映像やプログラムではなく、何年後かに誰かの記憶を呼び起こす感性の手がかりなのかもしれません。

今楽しんでもらうことに加えて、その体験が人の中にどのように残るのかまで考えると、ゲーム制作の見方も少し変わってきます。

■ グループ展「空想メ森」を開催します
番組の最後には、川北輝と増田雛里さんらが参加するグループ展「空想メ森」について紹介しました。

「感性を育み、記憶を更新する、夢見る森」をテーマに、それぞれの想像から生まれた作品を展示します。

【会期】2026年9月19日(土)~9月22日(火)
【時間】9:30~17:00(土曜日は19:00まで、最終日は15:00まで)
【会場】高松市美術館 市民ギャラリー
【入場料】無料
【出展者】川北輝、増田雛里、阿竹奏良、小野大輔、JU MINJEONG、大塚瑛士

第2回放送を聴き逃した方は、ぜひアーカイブでお聴きください。

※著作権保護のため、楽曲は省略しています。